5.「発汗でデトックス」は嘘 2/3

食物が体内に消化吸収されたら次は代謝(栄養素からエネルギーを産生する)です。

人体のエネルギー源となる 3大栄養素(糖質、タンパク質、脂質)の代謝について
おさらいしていきましょう。

代謝に欠かせない臓器は肝臓!
 ↓ 肝臓の代謝機能 ↓
・グリコーゲンの生成と分解
・血漿タンパク質の生成
・脂質代謝
・ホルモン代謝
①糖質の代謝
アミラーゼの消化作用によって主に ブドウ糖(グルコース) に分解された糖質は
小腸から吸収され肝臓へ。

肝臓から血液中に放出され 体中の細胞へ運ばれて、エネルギー源として利用される。

(血液中のグルコース濃度のことを「血糖値」といいますね!)

血液中にグルコースが十分に足りている場合、
グルコースは 肝臓(や筋肉)でグリコーゲンとして貯蔵され、必要に応じて
グルコースに変えられ
 てエネルギーの生成に使われる。
その際 最後に残るのは二酸化炭素と水。

②タンパク質の代謝
アミノ酸 に分解され、小腸から吸収されて肝臓へ。

その後肝臓から血液中に放出され、体中の細胞へと運ばれて、
各細胞の DNA に基づいて それぞれの目的に合ったタンパク質に再合成 される。
肝臓自体も タンパク質を再合成 し、血液中に放出する(血漿タンパク質)。
また、血液中のグルコースが少ないときにはエネルギー源 としても使われる。

タンパク質は、体内で合成と分解を繰り返して
常に一定の割合(成人で 1日 180g程度)に保たれている。

代謝の過程で不要となったアミノ酸からは有害なアンモニアが発生するが、
肝臓で無毒化され尿素に変えられる。その後腎臓を経て 尿中に排出 される。
また、エネルギー源として利用されなかったアミノ酸の構成物質
(炭素、水素、酸素)は二酸化炭素や水となって排出される。

③脂質の代謝(脂質代謝はとてもややこしいのでかなり端折っています。)
消化作用を受けて分解された脂質は、小腸から吸収され、血液中を通って
皮下や腹腔内、筋肉間にある脂肪組織へ運ばれて体脂肪として蓄えられ、
グリコーゲンが不足すると分解してエネルギー源として使われる。

具体的には、、

食品に含まれる脂質の大部分は中性脂肪(トリグリセリド) の形をしており、
十二指腸で消化酵素(膵リパーゼ)によって分解される。

ただ、水と馴染みにくい(脂溶性)トリグリセリドは、
そのままでは膵リパーゼの効果を受けにくいため、まず胆汁によって乳化される。
その後 膵リパーゼによってモノグリセリドと脂肪酸に分解され、小腸に吸収される
という道をたどる。
そして小腸ではトリグリセリドに再合成される。

トリグリセリドは、毛細血管にある酵素(リポタンパクリパーゼ)によって
脂肪酸とグリセロールに分解される。

脂肪酸は タンパク質(アルブミン)と結合して細胞に取り込まれ、
エネルギー源として使われる。
また、脂肪細胞では
脂肪酸を材料に トリグリセリドを再合成して貯蔵 する。
グリセロールは肝臓へと運ばれ、貯蔵される。

なお、肝臓に蓄えられた脂肪酸からはコレステロールが生成され、
胆汁の材料としても使われる。

糖質やタンパク質の場合と同様 最後に残るのは二酸化炭素と水。

※各栄養素の一義的な使い道を 赤の背景色 で、
いったん貯蔵され、必要に応じてエネルギー源となる部分
(糖新生にも関わる)を 緑の背景色 で、
代謝後最終的に残る部分を黄色の背景色 で示してみました。


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