前回まで食物の消化吸収、そして 3大栄養素の代謝についてお話ししました。
「発汗でデトックス」は嘘 2/3
「発汗でデトックス」は嘘 3/3
これだけを見ると、老廃物(毒素)はきれいに
便や尿などで排出されているかのように感じるかもしれません。
ですが実際はそうではありません。
少なからず、体外に排出されない老廃物も存在する のです。
もし本当に体内の老廃物が毎回全て外に出されているのだとしたら、
病気になる人はもっと少ないはずですよね!
さて、ではどこに落とし穴が?
いえいえ、落とし穴どころの話ではありません。
「発汗で…」 のところで書いたのは
体に取り込まれた物質の一部の話でしかないからです。
特に代謝のところについては
わかりやすいように 3大栄養素のエネルギー代謝の側面だけをお話しました。
ですが、代謝を別の側面、つまり物質の側面から見ると、
代謝しきれない物質がどこへいくのか ということがわかります。
また、体内に毒が取り込まれるのはなにも口から(経口摂取)ばかりとは限りません。
全身を覆っている皮膚からも取り込まれます(経皮吸収)。
①代謝の話(物質の側面から)
体内に取り込まれる物質には水溶性のものと脂溶性のものがあります。
水溶性のものは血液やリンパ液などを経由しやすく、
老廃物の尿中への排出もスムーズに行われます。
ですが脂溶性のものは、
もちろん代謝の過程で分解(異化)や合成(同化)を繰り返すことによって
親水性を高めているわけですが、そのすべてを排出することはできません。
脂質の代謝がややこしいと言ったのはそういうことです(この部分を端折りました)。
物質が細胞壁を通過して取り込まれるためにはある程度の脂溶性は必要ですが、
それが高すぎる場合には、脂肪組織や脳、神経など脂質との親和性の高い組織に
蓄積されることになります(脂肪組織は脂溶性の物質を貯蔵するという性質を持つ)。
生殖器やその周辺の組織には脂肪が多く含まれるため※、毒素が蓄積 されていきます。
※男性の場合は精巣上体脂肪など